実際に退職していない役員に退職金を支払っても役員賞与とされ損金に算入できませんので、否認され多額の追徴金を支払うことになります。

ただし、役員の分掌変更又は改選による再任等に際しその役員に対し退職給与として支給した給与については、その支給が、例えば次に掲げるような事実があつたことによるものであるなど、その分掌変更等によりその役員としての地位又は職務の内容が激変し、実質的に退職したと同様の事情にあると認められることによるものである場合には、これを退職給与として損金に算入することができます。

● 常勤役員が非常勤役員(常時勤務していないものであつても代表権を有する者及び代表権は有しないが実質的にその法人の経営上主要な地位を占めていると認められる者を除く。)になつたこと。
● 取締役が監査役(監査役でありながら実質的にその法人の経営上主要な地位を占めていると認められる者及びその法人の株主等で使用人兼務役員とされない役員を除く。)になつたこと。
● 分掌変更等の後における報酬が激減(おおむね50%以上の減少)したこと。

形式上これらの要件を充たしていても、取引先・金融機関との折衝を行なっている等、実質的に経営権を掌握しているような場合は退職金を否認され賞与とされますので慎重に判断してください。
又、通常の役員退職金は未払い計上が認められますが、この規定は実際に支給していなければ認められませんので注意が必要です。


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