商法上の繰延資産以外に次のような税務上の繰延資産があります。

●公共的施設の負担金
 (商店街の共同のアーケード・日よけ等)

●資産を賃借するための権利均等
 事務所の礼金・権利金・更新料・敷金のうち償却部分等

●役務の提供を受けるための権利金等
 (ノーハウの頭金等)

●広告宣伝用資産を贈与した費用

●その他自己が便益を受けるための費用
(出版権の設定の対価・同業者団体の加入金等)

これらはその種類ごとに償却できる限度額が定められています。
これえらの償却限度額のうち償却費として損金経理した金額が損金に算入されます。
支出金額が20万円未満の場合で損金経理したときは繰延資産に計上せず支出年度で一時に損金算入することができます。


■権利金等の償却

建物を賃借する為に支出する権利金等(権利金・礼金・更新料・立退き料・保証金及び敷金の償却部分)は税務上の繰延資産として5年(賃借期間が5年未満で更新時に権利均等の支払が明らかであるときは賃借期間)を償却期間として計算した金額が償却可能限度額になります。
建物の賃貸借に係る仲介手数料は繰延資産ではなく支出した事業年度で損金の額に算入します。
ただし、つぎのようなものはそれぞれに掲げる期間が償却期間となります。
@建物の新築に際し支払った権利金等で賃借部分の建設費の大部分に相当し、建物の存続期間中賃借できる状態にあるもの
建物の耐用年数の10分の7に相当する年数
A建物の賃借に際し支払う@以外の権利金等で、明渡しに際して借家権として転売できるもの
建物の賃借後の見積残存耐用年数の10分の7に相当する年数

営業権や造作名義で支払う場合でも、実質がこれらに該当すれば繰延資産として処理しますので注意してください。

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