創業費・開業費・試験研究費・開発費等の商法上の繰延資産は任意償却(未償却残額を限度として自由に損金算入できる)できます。
節税にも生かせますし、赤字で費用を繰延べたいときは償却しないでおくこともできます。
■創業費
法人の設立に伴い支出する次のような費用です
●発起人報酬
●設立登記のための登録免許税、司法書士手数料
●定款、株式申込書、設立趣意書、目論見書等の作成費
●株主募集等のための広告費
●設立事務に使用する使用人の給料
●金融機関等の取扱手数料
●創立総会に関する費用
商法上はこれらの費用を定款に記載することが要件とされていますが、法人税法上は定款等で定められていない場合でも創業費に該当し、償却することができます。
■開業費
法人の設立後営業を開始するまでの間に特別に支出する次のような費用です。
●開業準備のため特別に支出した
@広告宣伝費
A接待費
B旅費
C調査費等
営業開始前に発生したものであっても、事務所賃借料・給料・利子・水道光熱費・保険料等の経常的に生じる費用は開業費に該当しません。
これらの支出は繰延資産ではなく、通常の期間費用として損金に算入します。
設立当初は赤字になりがちなため、これらを償却せずに資産として繰越し、翌期以降で償却を開始することもできます
創業費・開業費に該当するものはできる限り創業費としていったん資産計上したうえで、決算利益が確定してから償却額を決めると良いでしょう。